元肥(基肥)はやらないという話ですが、やらなくても十分な量の米が出来るんですか? 元肥をやらないと、初期に分ゲツが進まないのではないですか?

米は地力によって育てます。試しに全く無肥料で作っても、米が反収7俵(420kg)程度は出来る田圃が多いものです。これに適度な追肥を加えれば、充分に8俵(480kg)以上の収穫が得られます。元肥(基肥)や活着肥を施して初期に窒素が効いていると、根の伸びが弱い、葉が過繁茂になる、倒伏しやすい体質になるといった問題が起ります。

カルテック栽培では、無機肥料が効いていない状態で田植えをしますから、葉色は濃くならず、見た目では非常に寂しい状態で約1ヵ月ほど経過します。しかしその後、出穂50日前・分ゲツ肥(硫安追肥)の頃以降には、急激に分ゲツが進んで、穂数は充分に確保できます。
とはいっても、実際に田圃に入って調べると、初期にも分ゲツは正常に進んでいることがわかるはずです。もし本当に分ゲツが足りないとすれば、苗の体力不足、深植え、ガスわき、特別な低水温など、肥料以外の要因による障害です。

また、初期に分ゲツが進みすぎると、むしろ分ゲツ過多や、ラグ期の長期化による無効分ゲツ化によって刈り取り時に1株穂数が少なくなる場合が多いので、必ず穂肥頃に茎数を数えて判断して下さい。

カルテック栽培は「秋まさり」型の作り方ですから、原則として元肥や活着肥は施しません。窒素肥料で無理に分ゲツを多くすることは避けて下さい。

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