分げつ肥
こんにちは。カルテックです。
田植えが終わりほっと一息…
と思ったら、あっという間に1カ月近く経ちましたね。
周りの田圃と比べて寂しい姿だと思いますが、我慢できていますか?
今は元肥無しでジワジワと地味に出てくる地力だけで育てているので、
その栄養分を求めて根が力強く伸びていき、
根を張る方に力を注いでいるので丈が短く寂しい姿に見えています。
しかし、この力強く張っている根が異常気象にも強い稲に育ててくれます。
根だけに根性を付けている段階です。
もし心配なら一株抜いてみて根が張っているかチェックしてみて下さい。
根が張っている様であればバッチリです。
さて、皆様の出穂予測日はいつになるでしょうか。
出穂日とは田んぼ全体を見渡して4~5割程穂が出たときになります。
茎からチョットしか穂が出ていないきわどい物も出ているとカウントして下さいね。
出穂予測日から逆算して50日前に、
最高分げつ期に向かって必要量が急増する窒素を補給して、
充実した有効茎(穂)を確保するために『分げつ肥』として硫安を施用します。
注意点としては早めに施用しない事です。
早めに施用するとコシヒカリや山田錦の様な倒伏しやすい品種は丈が伸びやすくなります。
わざと遅らせるつもりで施用してみて下さい。
分げつ肥えは絶対に必要な追肥ではありません。
葉色が濃い場合は肥料がある証拠ですから慌てなくても大丈夫です。
葉色の目安は葉色版で3番ぐらいになります。
お持ちでない場合は畔草の明るい若葉の色を目安にしてください。
それよりも濃い場合は肥料が効いています。
分げつを進めるには新しい茎が水没しない様に浅水管理にしてみて下さい。
逆に過剰に茎が増えると無効分げつが増えて、お互いが光を殺し合い、
収穫に近づくにつれ株が小さくなっていき、小米になったりクズ米が増えてしまいます。
最終的な穂数は坪当たり1000~1200本(平米300~370本)あれば充分ですから、
坪50株植えなら1株20~24本、坪60株植えなら1株17~20本でよいことになります。
目標とする1株穂数(有効茎数)を23本とすれば、この有効分げつを確保して、
それ以上の無効分げつが少なく、のびのびと23本の茎が太く、穂が大きく充実するのが良いわけです。
通常この分げつ肥えの時期には、7葉期に当たるので最初の1本が分げつして4本になっています。
(4本目はまだ細いですが…)
1株3本植えだった場合は12本あり、1反あたり硫安10㎏を施すのが標準です。
分げつ肥は地力を補うものです。『カルテック農法』で3年以上経過し、
地力が大きくなった田んぼでは、分げつ肥は不要な場合もかなりあります。
田んぼと相談して(葉色と地力を考え合わせて)、分げつ肥の量を決めてくださいね。
注意点としては余り分げつ肥えを多く入れると、
この後の穂肥(穂を大きくする追肥)があまり施用出来なくなります。
穂肥を施用できるように抑え気味にするのがお勧めです。
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